収入が少ない人や無職やニートの人などは、生活をしていくだけでもやっとで、年金や保険料を払うお金の余裕なんて正直ありません。
『そうだよ。国民年金なんて高くて払えないよ』
画面の前で、そう同調している気持ちも分かります。
でも、自分が将来60歳になり年金を受給できる年齢になった時に、これまで納めてきた年金がもらえないかもしれないという不安はありませんか?
前回は国民の三大義務じゃないのに年金未納は法令違反になるのか!?という気になる年金問題について取り上げました。
詳しくはこちらの記事で
年金未納が法令違反になるというのは分かりましたが、お金がなかったらどうにもこうにも納めたくても納められないのが現実です。
そんな年金納付を「お金がない」と未納に走ってしまう前に、知ってもらいたいのが国民年金の免除制度です。
- 生活が苦しいのに国民年金を全額納めている
- 年金の免除制度を知らない
- 将来、年金がもらえるか不安だけど未納だけは避けたい
国民年金保険料とは
一般的に国民年金と呼ばれているものです。年々年金も値上がりしていますが、今年度分の国民年金保険料は月額16,410円
年金だけではなく、生きてるだけいろんな税金も払っています。消費税に住民税、所得があれば所得税…持ち家があれば固定資産税などなど…
破産しないで済むように、年金を払うお金がなくて困っている方へ知らなきゃ損する年金の制度についてお話しします。
年金の免除や納付猶予の申請
私の場合は海外から帰国して役所へ住民届を出しに行ったとき、一緒に(ついでに)年金免除の申請をしました。
免除制度は、お住まいの市(区)役所や町村役場、または年金事務所で申請が可能です。
申請するためには国民年金保険料免除・納付猶予申請書を日本年金機構に提出する必要があり、後日審査結果が通知されます。
審査決定が出るまでは結構時間がかかりますが、承認でも不承認でも必ず結果は後日通知されます。
国民年金免除・納付猶予の内容
免除については全額免除、一部免除があります。申請書提出後に全額免除や納付猶予が承認された場合には、該当年度分の手続きは完了したことになります。
一部免除については、免除されていない残りの年金額を納付しなければならないので、承認されたから何もしなくていいということではありませんので、気を付けてください。
3/4免除 (1/4納付)
⇒全額納めた人の受給額を1としたとき、3/4免除され1/4納付した人が将来受け取る年金額は5/8
半額免除 (1/2納付)
⇒将来受け取る年金額は3/4
1/4免除 (3/4納付)
⇒将来受け取る年金額は7/8
国民年金免除制度を利用するデメリット
これまでの説明を見てきて分かっているかとは思いますが、納めるべき年金の額を減らしてもらうことで、将来受け取る年金額は他の全額納付している人に比べて少なくなります。
一部免除を受けていながら減額された保険料を納めなければ『未納』と同等の扱いになってしまうので、気を付けてください。
また、納付猶予に関しては老齢基礎年金の計算に含まれないとなっているので、納付猶予を受ける際はその点も考慮して考えることをおすすめします。
免除や猶予を受けると、年金を納める年齢のうちは少しは楽かもしれませんが、将来年をとって年金を受け取る年齢になった時にもらえる年金が少なく、再び生活が苦しくなることも予想されます。
国民年金免除制度を利用するメリット
メリットはもちろん高い年金を払わなくても済むので、所得が少ない人や無職の人は年金全額を払うのが苦しいときもあるので、年金納付に生活を圧迫されずに暮らすことができます。
納付額も全額免除や一部免除、一部免除に関しては3/4、1/2、1/4と免除してもらいたい額を自分で選ぶこともできるので、それぞれの生活水準に合った年金額を納められ、未納を避けることができます。
年金未納は法令違反になりますが、未納でない限りは将来受け取る年金額の割合が減ったとしても、0になるということはないので、多少の安心はあります。
お金のない人が年金を払えないとき利用すべき免除制度:まとめ
初めは自分のメンツというかプライドというのか、そんなものを気にして年金を免除したくないと思っていました。
ですが、そんなものは最初だけで、今は一部免除を受けていても「年金を納めている!」と何の後ろめたさもなく制度を利用しています。
免除を受けている分、今の生活が年金納付によって圧迫されることは少なくなり、毎月支払い期限が来てしまう!という精神的な負担も減りました。
免除された年金額については、自分の将来受け取る年金額が減ってしまうので手放しに喜んではいられないのが実情ですが
上にも出てきた『追納』や、受け取る年金額が増える『付加保険料』というものもあるので、免除制度を利用した後からでも将来受け取る年金を増やす方法はあります。
「年金を全額支払うと生活が苦しくなる」
そんな悩みを抱えている方はぜひ一度、年金事務所へお問い合わせされた上で、一時的にでも年金保険料の免除制度を利用されてみることをおすすめします。